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死刑制度のディベート〜法学部・基礎

 

 

 

法学部でよくかわされるディベートの中に死刑制度をめぐる対立があります。

 

 

法学部生なら、一度はどこかで考えるかもしれない、死刑制度の対立について簡単に整理したいと思います。

 

 

 

死刑制度の廃止をめぐるディベート

 

 

ディベートの内容は、死刑制度はあった方が良いのか、ない方が良いのか?

 

 

日本の現行刑法では、死刑制度が規定されていますが、外国では、死刑を廃止している国のほうが多く、日本でも死刑の、存在意義については疑いの声も強いです。

 

 

死刑賛成派と反対派の対立を整理してみます。

 

 

 

死刑制度・賛成派

 

 

遺族の被害感情を考えるべき

 

殺人犯が死刑にならないと、遺族の感情が収まるはずもないという意見です。この意見はかなりの重みがありますね。賛成派は、被害者の感情をおろそかにしているのでは?という立場です。

 

 

冤罪の可能性は低い

 

現代では、科学技術が発展しており、DNA鑑定などによる誤判はほぼありませんし、全体的に見ても、冤罪の可能性は限りなく低いので、死刑を認めても良いという意見です。

 

冤罪の可能性をめぐる議論は、死刑の議論の中で最大の争点になっているといえるでしょう。

 

 

 

死刑制度がないと抑止力が薄れる

 

死刑を廃止することによって、凶悪犯罪が増えるのでは?という立場からの反論です。刑罰を抑止的なものとして見ている(一般予防論)の人たちからの見解だと思います。

 

 

 

 

死刑制度・反対派

 

冤罪の可能性が、少しでもある限り、死刑に賛成することはできない

 

人が人を裁いている以上必ず間違いはある。「誤判等による、冤罪の可能性が少しでもある以上、死刑にしてしまってもし冤罪だったなら、取り返しがつかないし、誰も責任をとれない」という立場からの意見です。

 

この意見が反対派の強力な意見として主張されています。

 

 

死刑に抑止力はない

 

死刑に犯罪を抑止する力はないという立場ですね。殺人レベルの犯罪を犯す人は死刑のことなんか考えてないから、死刑制度を置いたとこで、抑止にはならないという意見です。

 

 

 

死刑は、憲法で定められた残虐刑にあたる

 

憲法では残虐刑を禁止する法律があります。この残虐刑に死刑があたるのでは?という立場です。

 

憲法36条で「公務員による拷問及び残虐な刑罰は絶対にこれを禁ずる」

 

絶対って深く念を押しているわけです。もし、死刑が残虐刑にあたるとすると、これは憲法上絶対に認められないということになりますね

 

 

国家に人を死刑にする権利があるのか?

 

国家が人の命を奪う権利があるのか?という立場です。国家が個人に殺人を禁止しておきながら、死刑をするのは矛盾しているという意見です。

 

 

終身刑・導入の議論

 

日本の最高刑は、無期懲役(刑法12条)なので、殺人犯が社会に出てきてしまう可能性があります。

 

よって、このまま死刑を廃止してしまうとまずいので、終身刑(一生刑務所)を導入して死刑を廃止すれば良いのでは?という、賛成派と反対派の間をとった意見です。

 

ただ、無期懲役が事実上の終身刑になっていることや、刑罰は、「犯罪者を更生しなおすためにある」という立場の人たちから反対もあり、実現には至っていません。

 

 

 

☆ほかにも執行現場の立場から反対論を唱える人や、いろんな考え方があります。

 

また、死刑制度の議論を考える時には、「刑罰はなんのためにあるのか?」という刑罰論の議論が背景になっているところがあります。法学部で刑法をとれば、一番最初に、刑罰論は話を聞けるはずなので、合わせて理解すると良いと思います。