物権と債権の違いは?

物権と債権の違いを分かりやすく解説〜法学部生向け民法

 

 

 

まず、物権と債権の定義を抑えます。

 

 

物権
 

 

特定の物に対し、直接・排他的に支配する権利

 

債権
 

 

特定の人に対し、一定の行為を請求することができる権利

 

 

違いその1

 

 

・物権は、物に対する権利

 

・債権は人に対する権利

 

 

これはいいと思います。物に対する権利なのか、人に対する権利なのかという違いです。ちなみに動物は、物権にあたります。

 

 

違いその2

 

・支配する

 

・請求する

 

 

物権の場合は、物を支配する権利→支配しているので、何をしても構いません。自分の意思で、行為を勝手に決めて、権利を実現できます。

 

 

これに対し、債権は、相手が、一定の行為をしてくれないと、自分は満足することができません。つまり、相手ありきということになります。

 

例えば、AさんがBさんに金を貸していて、Bさんが返してくれなかったとしても、Aさんは、無理やり取り返すのはできないことになります。無理やり取り返そうと、殴れば暴行罪ですし、盗めば窃盗罪みたいな感じになってしまいます(^_^;)

 

 

☆自分の力だけでよいのか、相手の力がいるのかの違いです。

 

 

違いその3

 

物権→排他性あり

 

債権→排他性なし

 

 

排他性と言うのは、他者を排除する性質のことを言います。

 

 

ここが一番、分かりづらいので、例をあげて考えます。

 

 

まず、物件の例から考えます。

 

 

EX,Aさん、Bさん、Cさんがいたとします。Aさんは、Cさんと、Bさん両方に、バイオリンを売る売買契約を結んでしまいました。

 

 

物権と債権の違いを分かりやすく解説〜法学部生向け民法

 

 

解説

 

もし、仮に、Bさんに、バイオリンの所有権(物件の一つ)が認められると、Cさんは、バイオリンのを引き渡せと主張できなくなります。

 

何故なら、物件は、排他性があるから。Bさんに、所有権が認められた時点で、Cさんの権利は、排除されても文句を言えないということになってしまいます。

 

※もちろん、この場合、Aに対して、損害賠償としての請求をすることは出来ます。ただ、バイオリンの所有権が認められることはないということになります。

 

 

 

 

 

次は債権の例を考えてみます。

 

 

EX、プロサッカー選手が、テレビに出る契約を、B・TV局と結びました。ところが、後から、C・TV局がB局より、300万多く出すから、こっちに出てくれと言われ、Cとも、Bと、同じ日、同時刻に契約を結んでしまいました。

 

 

※この場合、物を支配する権利ではなく、人にテレビに出てくれという行為の請求なので、債権ですね。

 

 

物権と債権の違いを分かりやすく解説〜法学部生向け民法

 

 

 

 

解説

 

この場合、どちらの、TVに出るかは、本人(サッカー選手)の一声で決まります。

 

なぜなら、債権に排他性はないからです。

 

 

他人を排除する権利が債権には認められてないので、B局は、Cが後から契約を結んだとしても、どけという権利はなく、サッカー選手が、C局が良いといえば、あきらめるしかないということになります。

 

※もちろん、その後、サッカー選手に対して、損害賠償請求はできます。ただ、出演が完全におじゃんになります。

 

 

 

☆物件には、排他性があって、債権に排他性はないと覚えておきましょう

 

 

 

おまけ

 

 

物権VS債権

 

 

→物件は、他人を排除する権利(排他性)があるので、すべての人にその権利を主張できます。それに対し、債権は特定の相手にしか主張できないので、、物件VS債権になったら、勝つのは物権です。

 

 

典型例を挙げてみましょう。

 

 

EX・AさんがBさんと、CDの売買、Cさんとは、賃貸(貸し借り)の契約を結び、AB間、CD間に同時に、債権が存在することになってしまいました。さてどうなるでしょう?

 

 

 

物権と債権の違いを分かりやすく解説〜法学部生向け民法

 

 

 

解説

 

この場合、勝つのは、Bさんです。何故なら、賃貸借には、債権の性質しか認められないから。

 

賃貸者は、あくまで債権なので、売買契約で、Bに所有権が認められた場合(物件の性質が認められたとき)は文句を言えないということになります。

 

 

物権は債権を破る

 

売買は賃貸借を破る

 

 

法格言の登場ですね(^^♪

 

 

※とは言っても、家の売買VS家の賃貸の場合のように、不動産(家や土地など)の賃貸借の立場が弱いと困ります。

 

アパート借りてた人が、問答無用で、追い出されるようなことがおきてしまいますよね(^_^;)

 

ですので、不動産(家・土地など)は登記をすることによって、物件と対抗できる(勝負できる)と規定されています。<民法605条>

 

 

 

☆以上、物件と債権の違いについてでした(^^♪