民法95条の錯誤とは?

民法95条・錯誤 解説!

 

 

 

民法95条の錯誤について、法学部生向けに解説していきたいと思います(^^♪

 

 

 

※参考文献 民法T 内田貴 第4版

 

 

 

 

民法95条・錯誤解説

 

 

まず、初めに錯誤の条文(95条)を確認してみましょう。

 

 

民法95条

 

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。

 

ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 

 

 

ポイントは、「錯誤が何かを理解する+錯誤の取り扱いを、理解する」です。

 

 

では具体的に見ていきましょう。

 

 

錯誤とは

 

 

定義

 

錯誤による意思表示とは、表示行為から推測される意思と、表意者の真実の意思とが、食い違っており、なおかつそのことに、表意者自身が気づかないでした意思表示のことを言う

 

 

つまり、自分が相手に伝えたことが、自分が心で考えていることと食い違い、しかも、自分は間違っていることを知らないまましてしまったということですね。

 

 

 

分かりづらいので、例を挙げてみます。

 

 

EX.AはBに商品を売る際、1万円で売ろうとしていたのに、10万円と記入してしまった。

 

 

自分の意思と表示が違ってて、しかもそれに本人は気づいていませんから、錯誤ですよね。

 

 

錯誤の定義にしっかり、当てはめて説明するなら、表意者(A)の真実の意思と、表示行為(10万で記入)が食い違っていて、表意者(A)が気づいていないまま、それをしたということですね。

 

 

 

 

錯誤の取り扱い

 

 

錯誤は民法上どう扱われているのでしょうか?

 

 

これも例をもとに、考えてみたいと思います。実際に存在したケースです。

 

 

EX.人材サービス会社、ジェイコムの株式(発行済み株式、14、500株)において、M証券の担当者が、「61万円一株売り」と記入すべきところを、「1円61万株売り」と誤ってコンピューターに記入してしまった(2005年12月8日ジェイコム大量誤発注事件)

 

 

これやばいですよね。1円で、61万株も買えたら・・・

 

 

 

表意者(ジェイコムの側)からすれば、無効にしてほしいところです。

 

 

しかし、簡単に無効にしてしまうと、取引の安全が害されます。

 

 

事情を知らないで、買った人から見れば、後から無効にされるのはこまりますから、この人たちのことも考える必要があります。

 

 

 

そこで、民法95条です。もう一度、945条を確認してみましょう。

 

 

おっと、945条じゃないですね。民法95条です。

 

 

これ、僕が気づいてなかったら錯誤でしたね。あぶなかった(^_^;)

 

 

民法95条

 

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。

 

ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 

 

 

解説

 

錯誤は原則無効、(要素の錯誤に限る)

 

しかし、表意者に重過失があった場合は、有効というのが、民法の立場です。

 

 

要素の錯誤に限って無効なんですが、このことについては次回の記事で書きます。とても大事な話です。

 

 

本人の本当の意思と食い違ってますから、原則は無効で良いよねって話(95条本文)です。間違えてしまうことは誰にでもありますから。

 

でも、表意者に重大な過失があったときまでは、かばいきれません(95条ただし以下)ということになります。取引の安全・信用が害されるので(>_<)

 

 

※ちなみにジェイコム株・誤発注事件では、M証券の単純な入力ミスや、東証(株の取引所)のシステムの問題もあり、重過失と判断され、錯誤が有効になりました。これにより、大儲けしたトレーダーも結構いたようですね。

 

 

 

最後に、錯誤と心裡留保虚偽表示との比較を整理しておきます。

 

 

なお、錯誤には続きがあるので、気になる方は、記事の最後に、続きを貼っておくので、そちらを参考にしてください。錯誤はこの後からが本番で、法学部のテストでもよく出ます。

 

 

意思内容 原則 例外 例外・要件
心裡留保・93条 有効 無効 相手方の悪意・有過失
虚偽表示・94条 無効(当事者間の通謀) 有効(94条2項より) 第三者の善意との間で
錯誤・95条 無効(要素性・無重過失) 無効 表意者の重過失

 

 

 

☆続きを現在執筆中です。もう少しお待ちくださいm(__)m